太陽光発電に蓄電池やオール電化工事は必要か
太陽光発電の購入に際し、オール電化工事や蓄電池購入をセットで勧められることがよくあります。近年では特に、蓄電池を勧められるケースが増えています。
しかし、特に訪問販売では『セットで購入すればお安くしますよ』といった、安易な勧誘に乗ることは非常に危険で、トラブルに発展する場合が多くあります。
端的に必要か・必要でないかを言えば、必要ではありません。太陽光発電単体だけでも工事は充分に可能です。ではなぜ、トラブルが増えているにもかかわらずオール電化工事や蓄電池も一緒に購入する方がいなくならないかというと、太陽光発電と相性が良いからです。
トラブルになる原因やリスクを回避するためにも、それぞれのメリット・デメリットの確認が必要です。
蓄電池やオール電化工事のセット販売には要注意!
数年前までは、【太陽光+オール電化】のセットが主流で、蓄電池の出番は殆どありませんでした。
しかし、近年では新築当初からオール電化の家庭が非常に増えており、また、各種HP等でオール電化工事の一般的な価格が提示されていることもあり、あまりに高額な価格で購入する方はほとんどいなくなりました。
一方、蓄電池の市場はまだ成熟しておらず、価格に関しても高いというイメージが先行するばかりで明確な相場というものが浸透していません。
なぜ【太陽光+蓄電池】のセット販売でトラブルが増えているか
【太陽光+蓄電池セット】に潜むトラブル因子
- 合算では各々の価格が把握しにくい
- 各々の価格がわかっても相場価格が不明のため比較できない
- 蓄電池の価格がハッキリしていない
- 太陽光の価格を安くすることでお得感を感じさせる事が出来る
このように、【最近よく耳にする(流行っている)設備で、高額なイメージがあるがハッキリとした価格はわかりにくい】というのは、訪問販売で最もカモにされやすい商品といえます。
蓄電池やオール電化は、太陽光発電との相性はバッチリです!
相性で言えば、蓄電池やオール電化は太陽光発電との相性は非常によく、太陽光発電のデメリットをカバーすることができます。肝心な点は、本当に『自分たちにとって』必要かということです。
- メリット@:昼間の高い電気を買わずに、自己消費でまかなえる
- メリットA:ガスの基本料金がなくなり、経済メリットが大きい
- デメリット@:ライフラインの一本化による不安
- メリット@:夜間や雨天でも電気を買う量が減らせる
- メリットA:災害時にも太陽光発電が最大限活用出来る
- メリットB:蓄電容量によっては『オフグリッド(電力会社と契約しない)』で電力の自給自足も可能
- デメリット@:蓄電池が高額で、元を取ることは現段階ではほぼ不可能
- 経済メリットを優先するなら
⇒【太陽光発電のみ】か【太陽光+オール電化】 - 災害時の安心や極力電力会社に依存しない事を優先するなら
⇒【太陽光+蓄電池】
それぞれに、メリット・デメリットがあります。
10年後、蓄電池価格は3分の1以下になる!?
現在蓄電池市場は急速に拡充し、価格も徐々に下がってきています。とはいえ、現段階では家庭内の電力を賄える容量の蓄電池は工事費込みで100万円以上するのが一般的。さらに、現在の家庭用蓄電池のメインはリチウムイオン蓄電池ですが、材料となるリチウムが高騰しており、リチウムイオン蓄電池は正直これ以上の価格低下は見込めない状況です
ところが、今後10年以内に蓄電池の価格は3分の1以下になる可能性があります。
リチウムイオンではなく、マグネシウムを使った蓄電池の実用化がすすめられ、以前のマグネシウム蓄電池の欠点であった発火の危険性や劣化が改良されつつあり製品化されれば、価格は3分の1以下に抑えられる見込みです。
経済メリットを優先される方は、10年後の固定価格での売電が終了した後に蓄電池の導入を検討するのもいいかもしれません。
トラブル回避には【相見積もり】が必須!!
訪問販売で最も多いトラブルは【相場よりも非常に高額だった】と後からわかることです。
トラブル回避の為には、まず相場を知ることが大切で、太陽光発電に関しては1kwあたりの相場があります。
とはいえ、太陽光発電や蓄電池は、一般に言われている相場(合計額)はあまりアテになりません。
なぜならば、太陽光発電は自宅の屋根形状や設置する側の重要ポイント(価格や発電量等)によって価格に幅が出ます。また、蓄電池もどの程度の容量で、どのように使いたいかで価格が全く違ってしまうからです。
別々に考えても価格がわかりづらい商品ですので、セットとなれば不透明感は倍増します。
- 自宅には何が最適なのか
- 自分はどうしたいのか
- 何を最優先するのか
上記のような条件が一致した状態で比較しなければ、提示された見積もりが高いのか適切なのか、全く判断が出来ません。
もちろん、1社だけで見積りをもらっても比較できないのであまり意味がありません。
最低でも3社、できれば5社以上から見積りをもらい、ご自身が必要なシステムを単品・あるいはセットで導入して下さい。
充分に比較・検討し、納得の上での導入では、太陽光発電・蓄電池購入で後悔している方は皆無です。
相見積もりには一括見積もりの利用が時間・手間ともに非常に便利です。
こちらのページも参考にして下さい。⇒『一括見積もりのメリット・デメリット』