太陽光発電の保証と災害時の注意点
日本は地震大国で、太陽光発電のメインであるパネルは屋根に取り付けることから、災害、特に地震や台風被害について心配する声が多数あります。
実際には損害補償やメーカー保証があるため、災害ですべてがパーになってしまうわけではないのですが、確実に保証を受けるためにはいくつか注意すべき点もあります。
また、太陽光発電は地震で家屋が倒壊しても発電を続ける可能性があります。万一被災した場合には壊れた太陽光発電機器には決して素手で触れないようにしてください。
2024年(令和6年)1月の能登半島地震について
2024年1月1日、石川県能登半島沖を震源とする大規模な地震が発生しました。被災者方々に、謹んでお見舞いを申し上げると共に、一日も早い復興を心からお祈り致します。
被災された家屋等に設置されている破損した太陽光発電システムには絶対に素手でさわらないで下さい!
太陽光パネルは、パネル自体が太陽が当たり続ける限り発電します。配線等に異常があった場合、漏電や感電の危険がありますので、絶対に素手で触れないように注意して下さい。
- 絶縁性のあるゴム製等の手袋を着用
- パネルを裏返しておく
- 配線等の切れている箇所にビニールテープを巻く(絶縁する)
以上のことに注意して下さい。
太陽光発電設備の被害・事故状況
今回の地震では、北陸地方のメガソーラーが数件被害を受けています。また、斜面崩落などの被害も出てしまいました。
石川・富山・新潟にメガソーラーを保有している「ジャパン・インフラファンド投資法人」は、4か所のメガソーラーで発電を停止していましたが、安全が確認さ2月28日をもって全ての発電を再開しています。
倒壊した家屋に設置されていた太陽光発電については、施工業者かメーカーに依頼し、保証内容を確認してください。
太陽光発電は地震に弱いのか
屋根に設置している性質上、どうしても太陽光発電がない状態よりも重くなります。
しかし、「太陽光パネルが原因で家屋が倒壊した」とハッキリとわかる事例は現在では確認されていません。
一説によると、太陽光パネルを設置する際に、屋根に架台を取り付けますが、ちょうど『枠』を設置するような形になり、むしろ屋根の補強になっている可能性もあるとのことです。
太陽光発電の保証 「地震や自然災害について」
太陽光発電システムのモジュール、架台は和瓦などと比較して軽く、屋根への負担は普通の建物であれば大きな問題にはなりません。
そもそも、新築・既築共に設置前に荷重に対して十分な計算がされています。
モジュール自体はねじれや振動に対する十分な強度も保っています。過去の震災時にも大きなクレームや事故報告はありませんでした。
過去のデータでも太陽電池に直接雷が落ちたケースはごく稀です。
落雷の懸念・リスク自体が全く無いというわけではありませんが、システムを設置する事で雷が落ちやすくなるということはありません。
太陽光発電システムを屋根に設置するためには建築基準法により強風に対する備えがされています。ちなみに、沖縄などの台風の直撃や被害を受けやすい地域には専用の架台などが用意されています。
積雪による重みに耐えられるよう、その地域ごとの積雪量に応じて架台の推奨傾斜角度が定められています。積雪する事で太陽光発電としての発電量は低下しますが、これにより破損することはまずありません。
太陽光発電システムのモジュールは通常の屋根材とほぼ同等の強度をもっているため、通常の雹(ひょう)で割れることはまずありません。ただし、屋根が破損するほどの大きな雹が降った場合は破損の可能性は充分にあります。
※自然災害については保証が10年ついているので安心です。
太陽光発電の保証の種類
大まかな災害補償の目安
太陽光発電の保証・補償には大きく分けて2通りあります。
- @メーカー保証(出力・システム機器)
- A自然災害補償
それぞれの保証・補償について解説します。
@メーカー保証(出力・機器)
メーカー保証の内容は更に2種類。パネルの出力(発電能力)の保証と、機器の不具合の保証です。
パネルの初期不良や破損等によって発電能力が落ちた時の保証で、期間は15〜35年(メーカーにより異なる)
配線やパワコン等の機器の不具合の保証で、期間は10〜15年(メーカーにより異なる)
メーカー保証では、対象となった機器は無料で修理・交換となります。
各メーカーの詳しい保証内容はメーカーページをご覧ください
A自然災害補償
落雷や突風、雹等の自然災害に対応している補償で、修理・交換対応ではなく修繕費用を補償してもらえます。
メーカーが直接補償しているケースと、販売店がメーカーの用意している補償に加入する補償とあります。後者の場合、加入している販売店からの購入でないと自然災害補償を受けることができません。
保険料は販売店が負担し、購入者が別途保険料を負担する必要はないことがほとんどです。
- 火災
- 豪雪や雹
- 台風
- 落雷
- 建物外部からの物価の落下・衝突
等
- 地震
- 津波
等
加入している保険により、保証の範囲が異なることがありますので、導入検討段階で販売店に確認することをお勧めします。
日本の保証期間は短い
販売店の方が言っていましたが、太陽光パネルの世界の保証期間は25年が普通だそうで、日本の10年は短いそうです。
しかし、日本のメーカーも世界の市場に出す時は同じ商品でも25年保証にして販売するそうです。裏をかえせばまず25年程度ではまず壊れないということが予想されます。