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更新日:2020/11/25

今後の売電はどうなる?メリットがあるのか検証しました

ご存知の通り売電価格は下落の一途をたどり、2025年には1kwあたり10.3円が目標とされています。

 

ここまで下がってしまっては、一見メリットはないように思えますが、本当にそうでしょうか?

 

売電価格が2円下がった場合の具体的な差額や、現在の売電価格、ひいては10.3円まで下がってもメリットを出すための条件などをまとめました。

今後の売電価格と引き下げの影響について

太陽光発電の維持費

年々引き下げが続いている売電価格ですが、今後も下がっていくことが決定しています。

 

売電価格が下がるということは、当然ですが売電収入が減るということです。仮に2円引き下げられた場合、影響はどれ位あるのでしょうか。

 

売電の固定期間は10年間ですので、10年間でどれ位差が出るのか政府発表の資料から計算してみたいと思います。

 

計算条件

  • 設備利用率・・・13.4%

    設備利用率とは、太陽光発電システムが年間どれ位発電出来るか(設備として利用されているか)を示す数値です。

     

    この数値を基に計算すると、太陽光発電1kwあたりの年間発電量は
    24時間×365日×13.4%=1,173.84kwとなります。

  •  

  • 余剰売電比率・・・70.1%

    余剰売電比率とは、自己消費後の余った電力をどれ位売電に回せるか(余剰売電)の割合です。

     

    設置kw数や生活環境等に大きく左右されますが、平均で70.1%とされています。

1kwあたりでは10年間でどれ位減るか

まず、1kwあたりどれ位売電が減ってしまうか確認してみましょう。

 

1kwの太陽光発電は、年間1,173.84kwの発電量です。

 

この内70.1%が売電に回せるので

1,173.84kw×70.1%×10年間
8,228.6184kw

 

2円引き下げなので

8,228.6184kw×2円
16,457.236円

 

1kwあたり、10年間で約16,460円減ってしまう計算になります。

 

一般家庭ではどれ位影響がある?

それぞれの設置kw毎の10年間の売電差額を確認してみます。

3kw設置 16,460円×3kw=49,380円
4kw設置 16,460円×4kw=65,840円
5kw設置 16,460円×5kw=82,300円
6kw設置 16,460円×6kw=98,760円

設置kwが大きくなればなるほど、差額も大きくなることがわかります。

 

しかも上記はあくまで平均で、一般的には設置kwが増えれば増えるほど、売電に回せる割合も上がっていきます。

 

そのため、6kw設置では表より差額が大きくなることも充分に考えられます。


太陽光発電でメリットを出すために必要な2つのこと

売電と光熱費削減のバランスを見極める

 

買電単価は売電価格よりも高い

売電価格は21円。

 

対して、買電単価は契約している電力会社やプランによってマチマチですが、場合によっては買電のほうが高額な単価になっているかもしれません。

 

例として、東京電力のスマートライフ(オール電化向け)プランでは昼間(朝6:00〜翌深夜1:00)1kwあたり25.8円、それ以外の時間帯(深夜1:00〜朝6:00)までが17.78円となっています。

 

深夜時間帯は売電価格のほうが高額です。しかし、一番電気を使うであろう昼間では買電のほうが高く、真夏の日中にエアコンを使っていたらとんでもなく高くなってしまった…なんてこともあり得ます。

 

昼間の時間帯は、太陽光発電の発電量が期待できる時間帯でもあるので、光熱費削減効果は絶大です。

 

小さなお子さんやご年配の方、室内でペットを飼っておられる等、エアコンを使わない選択肢が難しい方は、太陽光発電を設置するメリットが非常に大きくなります。

 

それ以外のご家庭でも、殆どの電力会社では300kwを超えて使用した電気単価は1kwあたり30円以上がすることが多く、売電価格よりも割高です。

 

太陽光発電を自己消費することで買電量を抑え、割高な電気料金を避けることができます。

 

設置費用を抑える

 

太陽光発電の設置費用を抑える

買電と売電のバランスを上手くとっても、設置費用が高ければメリットは出にくくなります。

 

現在の太陽光発電の相場は1kwあたり20万円台後半くらいですが、地域やメーカーによっても差があります。

 

リアルタイムの最新相場はこちらで確認できます

 

経産省は太陽光発電の目標設置価格を公開しており、それによると目標価格は1kwあたり30.8万円。

 

この目標価格で設置できれば充分にメリットの出る売電価格となっています。

 

設置費用についてはこちらも参考にしてください

 

1kwあたり30万円前後で設置できれば、よほどの事がない限りメリットがあるでしょう。

 

ちなみに、一括見積もりサイトなどを利用して相見積もりを取ることで1kwあたり20万円代は十分可能になっています。

一括見積もりサイトの比較一覧はこちら

 

平成29年度(2017年度)に売電価格の決定方法が変更

平成29年度から売電価格の決定方式が変更になりました

 

一般家庭(10kw未満設置の余剰売電)の場合
  決定方法 発表方法

変更前

設置費用を基に、20年でもとが取れるように売電価格を決定 毎年審議・決定し、発表

変更後

(’17年4月〜)

先に売電価格を決定し、設置費用の下落を促す 数年先の目標売電価格を決定し、徐々に下げていく売電価格を発表

 

産業用(10kw以上設置の全量売電)の場合
  決定方法 発表方法

変更前

 

設置費用や維持費を基に、20年でもとが取れ、尚且つ利益が出るように売電価格を決定 毎年審議・決定し、発表

変更後

(’17年4月〜)

先に売電価格を決定し、設置費用の下落を促す
大規模太陽光発電は入札制度を導入

入札対象以外は毎年審議し、発表

ポイントは「先に売電価格を決定してしまうこと」。

 

今までは、設置費用等から逆算し、メリットの出る売電価格が提示されていました。しかし今後は売電価格を基に、メリットが出るような費用で設置できるように目指すこととなりました。

 

これにより、設置費用の低減の促進を狙っています。

売電価格は2025年に10.3円まで引き下げることが目標

 

一般家庭が対象となる余剰売電(10kw未満の太陽光発電)では、2025年度の売電価格を「1kwあたり10.3円(卸電力市場価格並み)」を目標としています。

 

家庭用太陽光発電の今後の売電価格の予想

 

ここまで引き下げる背景として、@国民負担の軽減、A欧州よりも高額な設置費用、B自己消費への移行の3点が挙げられます

 

国民負担を軽減するため

太陽光発電の売電買取費用負担増

太陽光発電の売電にかかる費用(買取費用)は、電気利用者から広く徴収されています。

 

殆どの家庭で電気を利用していますので、国民全体で費用を負担していることになります。

 

太陽光発電の急速な普及で、この「徴収額」が予想よりも高額になってしまい、売電価格を引き下げざるを得なくなりました。

 

欧州よりも設置費用が高額のため

欧州と日本の太陽光発電設置費用の比較

(調達価格等算定委員会配布資料より抜粋)

 

上記の表は、売電価格決定の際の審議会に配布された資料から抜粋しました。

 

日本よりひと足早くFIT(固定価格買取制度)を開始したイタリアやドイツでは、FIT導入直後から急激に設置費用が下がっています。

 

日本はまだドイツやイタリアほど下がっていないため、「もっと引き下げられるはず」という理由で売電価格を引き下げ、企業努力を促す方針へと変換しました。

設置費用についてはこちらで詳しく解説しています。

 

自己消費への移行のため

国民負担の軽減にも通じるのですが、やはりいつまでも高額の売電価格を設定していては、国民の負担が増えるばかり。

 

太陽光発電を普及させつつ、国民負担を抑えるには、自己消費のメリットを大きくしなければなりません。

 

そのために、まずは設置費用の目標額を定め、売電価格とともに設置費用も下がっていくよう、微妙なかじ取りをしつつ、20年でコスト回収ができるような売電価格の設定となっています。

設置費用の目標価格(1kwあたり)

種類 2020年(1kwあたり) 2025年(1kwあたり)
家庭用太陽光発電 30万円 20万円
事業用太陽光発電(10kw以上) 20万円 10万円

 

売電価格は下がったのに設置費用が高額なままでは、太陽光発電の導入に踏み切る家庭が減ってしまいます。

 

今後はメーカー・販売設置業者は設置費用が少しでも下げられるようパネルの生産過程や設置工法の工夫をより一層迫られることとなります。

 

とはいえ、政府の目標通りに設置費用が下がる保証もありません。設置費用が目標ほど低下せず、売電価格の引き下げだけが先行してしまう可能性も否定できません。太陽光発電の導入を検討している方は、とりあえず見積りだけでも先にとっておくことをおすすめします。

設置費用についてはこちら

産業用(10kw以上)は「2025年に1kwあたり7円」!?

産業用太陽光発電

産業用(10kw以上設置の全量売電)は、更に厳しくなっています。

 

全量売電では、固定価格買取制度開始直後の高い売電価格(1kwあたり税抜40円)をキープしたまま、未だ発電を開始していない案件も多くあります。

 

少しでも設置費用が安くなってから発電を開始する予定なのかもしれませんが、不公平感があり、早急に対処が必要となっています。

 

発電予定が不明の案件については、認定取り消しも進んでいますが、制度開始後に増えた再生可能エネルギーの殆どを産業用太陽光発電が占めていますので、更なる引き下げが検討されています。

 

産業用は欧州と比較して約2倍の設置費用

欧州と日本の太陽光発電設置費用の比較(産業用)

家庭用(10kw未満)の太陽光発電の設置費用も欧州と比べ高額ですが、産業用では更に差があり、約2倍もの開きがあります。このため、売電価格の引き下げや入札方式の導入で設置費用の引き下げを推し進める方針です。

最終目標は自己消費

太陽光発電と自己消費

売電価格と設置費用、両方の引き下げを目標にしているのは、最終的には自己消費へとの思いがあります。

 

現在、太陽光発電を導入する方の殆どは、売電の後押しがあってこそではないでしょうか。

 

しかし、高い売電価格は継続が難しいのが現実です。

 

設置費用が安くなれば、自己消費の節電分で充分に経済メリットが出るようになります。

 

太陽光発電が継続して普及していくためには、やはり設置費用の低価格化が必須課題となるでしょう。

売電の今後:まとめ

 

売電価格の引き下げが続くことは確実で、目標は2025年に1kwあたり10.3円
設置費用の低減を促すような売電価格を設定していく
売電に頼らず、自己消費でもメリットが出るようにすることが最終目標

 

先に太陽光発電の普及が進んでいった欧州等の海外と比較すると、約2倍も高い日本の太陽光発電。今後は売電価格だけではなく、設置費用の下がり幅にも注視していく必要があります。

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